『……あ、どうも……』 『貴女は、マンハッタンカフェ…さん』 ある日の事、夫を事故で亡くしてから一年が経過し少しずつ前向きになりだしたアドマイヤベガは、日が沈んだ人気のない駅のホームで偶然にもかつて同じ学園に通っていたウマ娘、マンハッタンカフェと出会った。 『…私の事をご存じなのですね。学生時代、あまり接する機会は無かったように思いますが』 『ええ、貴女はあのオペラオーを倒したウマ娘、という印象が強くて…』 『…なるほど。そう言えばアナタ方は同期でしたね』 そんな珍しい二人のウマ娘の邂逅に、遠出したアヤベに憑いてきていたトレーナーと妹もまた偶然にその場に居合わせていた。 「…お兄ちゃんはこの人知ってる?私は…うーん、お姉ちゃんとそんなにお話ししてないウマ娘さんはあんまり覚えてないかも」 「あぁ、もちろん。マンハッタンカフェは丁度アヤベの後に頭角を表したウマ娘だったからな。今でもよく覚えてるぞ。でも…」 「……でも?」 トレーナーはカフェの胸元を凝視しながら言い淀む。かつてのカフェの体型はいわば絶壁だった。 しかし大人になってから成長したのかたわわに実り、今や立派なお胸をお持ちであったのだ。 「…凄く印象が変わったというか……いや、ほんとすごい変わったな……」 「どこ見てるの?おっぱい?結構大っきくなったんだ?」 『…………』 「ん……?目が……」 凝視。じとりとした金色の目が真っ直ぐと此方へと抗議するように向けられているように感じた。 『………?私の後ろに何か…?』 「……お兄ちゃん、この人多分だけど私たちが視えてるよ」 『…いえ、何でも。売店でコーヒーを買ってきますので、私はこれで』 「な、なんだって……?」 『…えぇ、さようなら』 「追いかけてみようか。お姉ちゃん以外でこんな人…初めてかも」 そうして二人はカフェへと憑いていく事にした。本当に視えているのか確かめる為に試行錯誤してみるが、カフェは特に気にする様子もなく歩みを進めていく。 「君っ!マンハッタンカフェ!すまない!俺たちが視えていたり、声が聞こえてたりしないかーっ?おーい!!」 「うーん、完全に無視されちゃってるね。手をかざしても、叩いて音を出しても全然反応しないや。もし視えてるのにこれならすごい精神力カモ」 「身体には……触れられないな。他の人と同じで通り抜けてしまう」 「あ、いいこと思いついた。お兄ちゃんのおちんちん見せてみようよ♪もしかしたらお顔真っ赤になったりして分かるかもよ?」 「なるほどな…ってそんな事出来るかっ!」 『……あの…っ!……憑いてこないで下さいますか』 売店の入り口でカフェは顔を赤くしながら立ち止まり、霊体で生きている者からは視えない筈の二人へとようやく向き直った。 「…ふうん、やっぱり私達が視えるんだねお姉ちゃん」 『ええ、まぁ……』 「半信半疑だったが、まさかこうして会話まで出来るとは…でも視えているのならどうして俺達を無視したんだ…?」 『…はぁ、分かりませんか?こうしてアナタ達のような厄介な存在に絡まれたくなかったからです。アナタの失礼極まりない視線に思わず反応してしまいましたが』 カフェがジロリとトレーナーの方へ嫌悪に満ちた視線を向ける。 「あ、いや…それは……すまん。余りにも記憶の中の君と剥離してたからつい…」 「あはは、お兄ちゃんはほんとデリカシーがないからなぁ」 『……それでは私はこれで、もう憑いてこないで下さいね。これ以上憑いて来るのならアドマイヤベガさんにアナタ達の事を教えてお祓いさせますよ』 「ッ!!?」 トレーナーはその言葉に目を見開く。そう、この目の前のウマ娘は唯一アヤベに対してトレーナー達の存在を証明出来るかもしれないウマ娘なのだ。 「ま、待ってくれっ!それが出来るのなら、アヤベに俺たちの言葉を伝えてくれないか!?」 『……はぁ、何故私がアナタ達のような『悪霊』の言う事を聞かないといけないのですか?』 その時のトレーナー達を見るカフェの目はとても冷たく、まるで犯罪者を見るような目だった。 「……は?悪……霊……?俺、達が……?」 「えぇ〜?私達はお姉ちゃんを護ってるんだよ?悪霊は流石に酷くない?」 『まさか自分たちが守護霊か何かだと思っていたのですか?アナタ方はアドマイヤベガさんに憑いている悪霊その物です。特にそちらのアドマイヤベガさんに姿をがそっくりな方は『すごく悍ましい』。其方の男性の方は……恐らく発生して間もないのでそこまで脅威ではありませんが……』 「でも私、何も悪い事なんかしてないよ?」 『貴女は出産時に亡くなったという彼女の双子の妹さん、でしょう?本人からではないですがトップロードさんからそんな話を聞いた覚えがあります。水子の霊、しかも20年来の。今すぐ祓うべき強力な悪霊の類です。憑いた相手に対して強い影響を与えられるほどに力が強い』 「そう言われれば……」 妹のアヤベの意思を捻じ曲げてしまう能力を思い出す。他にもトレーナーが真似しようと思っても出来なかった不思議な能力は、妹が長い年月をかけて時間経過によって得た悪霊としての能力だったのだ。 「お姉ちゃんに対して限定だけどね♪」 『今はそうかもしれませんが、時を重ねるほど更に力は増していき、いずれは他人にも平然と行使出来るようになるでしょう。その前にさっさと成仏して下さい』 「ヤダよ!お姉ちゃんが生きているうちは見守るって決めてるもん!」 『そうですか、言ってどうにかなるとは私も最初から思っていません。ただ、私にはもう構わないで下さい』 「待ってくれ!マンハッタンカフェ!彼女は俺の妻なんだっ!この通り俺は死んでしまった!だがこのままでは彼女は俺の死に囚われたまま前に進む事が出来ない…っ!頼む…っ!最期の言葉を、彼女に伝えさせてくれ…っ!」 トレーナーはカフェの目の前で土下座をした。その真っ直ぐで真摯な態度に先ほどまで冷たい態度を取ってばかりいたカフェは、少しばかり情に流されかける。 『……亡くなられた旦那さんでしたか……でも、嫌ですよ。アナタの死んだ旦那さんと妹さんがずっと憑いてて後ろから見てるんですよ、だなんて例え信じられてるとしても私の口からは言いたくありません…』 「でもさっきお姉ちゃんに私達の事チクるぞーって脅してなかった?」 『先ほど彼女にアナタ方の存在を教える、と言ったのはあくまで悪霊として祓って貰うべきだと進言するという意味であって、アナタ方の詳細な正体を伝える気など更々…』 「もしお願い聞いてくれないなら〜…今からずっとカフェさんの耳元でお姉ちゃんの惚気話を延々としちゃうよ〜♪」 「こ、こらっ!そんな脅し逆効果だろ…っ!」 『……や、やはり悪質な悪霊じゃないですか……でも…そう、ですね…もし、そちらの邪悪な方の妹さんが私とある契約を結ぶのであれば力を貸すのもやぶさかではありません』 「契約?」 『私の許可無く人に害を為すような悪霊としての力を使ってはいけないという縛りをこちらの方に課します。そうすれば少なくとも暫くの間は悪い事は出来なくなりますので』 「…私はそれでいいよ?最近は全然使ってないし、この先他の人に使う気も無いからね」 「…俺の方はどうすればいい?」 『アナタには別に何も要求する事はありませんが…そうですね、貸しにでもしておいて下さい。いつか私が困った時にでも返して頂きますので』 ◆ 『…はぁ、良かった。間に合いましたね』 『…あれ、カフェ…さん?』 先ほど別れた筈のカフェが少し早歩きで戻ってきたのをアヤベは不思議そうに見ていた。 『今、少しお時間少しいいでしょうか。最悪、電車1本遅れてしまっても?』 『ええ、それは構わない…けど…』 『それでは単刀直入に言うのですが、私には所謂、霊というものが視えます。学生時代はずっと私も憑かれていてその事を隠していませんでしたから噂くらいは聞いた事ありませんか?』 『いいえ……?あの……?』 『…怪しい宗教の勧誘だとでも思われてしまいましたか。それでは…そうですね…あの旦那さん。アドマイヤベガさんとアナタだけにしか分からない事を何か教えて頂いても宜しいですか?』 『……ぇ』 ドクンッ カフェが唐突にアヤベの横隣の何も無い空間に当然のように話しかける。勿論其方の方へと目を向けてもアヤベの視界からは何も映ってはいない。 しかし、カフェの言う事がもし本当であれば、其処には……アヤベの心臓が鼓動を早めていく。 「え?うーん…星を見にいく時のバスのお気に入りの座席は左側の後ろから2番目とか?」 「そう言えばいつも其処に座ってたよね。他の人が先に座ってたら不機嫌になっちゃうから言われてみれば結構印象深いかも」 「そうそう。そう言えば、事故に遭った最後の日はあの席に座れなかったんだよな…」 その会話を聞いたカフェは改めてアヤベへと向き直る。 『…今、アナタの旦那さんが星を見にいく際にお気に入りのバスの座席の話をしてくれました。もしその場所をピタリと当てられたら私の言う事を信じてくれますか?』 『そ、そんなの、貴女に分かる筈、ない……』 『そうです。私には本来知り得ない情報ですので、それが証明になるのです』 『……言って、みて』 不安、疑心、期待、様々な感情が混ざり合った表情から絞り出すように口にした言葉にカフェは真実を返した。 『…左側の後ろから2番目、だそうです。更に付け加えるならば…事故に遭われた日には座れなかったそうですね』 『そ、そん……なっ……事故当時の事まで……な、なら本当……に…っ?』 「あ、私の事はまだ言わなくていいよ!一気に教えたら混乱しちゃうかもだし、私のことは後でいいから取り敢えず、お兄ちゃんの事だけ伝えてあげて」 「…いいのか?一番言葉を伝えたいのは、君だろうに」 「んーん。私はもう、お姉ちゃんが学生の頃にいっぱい伝えたから」 「…ありがとう。じゃあカフェ、今から話す言葉をアヤベに伝えてもらっていいか?」 『……そう、ですね…アナタなら大丈夫でしょう。私の身体を一時お貸ししますので、ご自分で話されると宜しいかと。長くなると思いますし、私がアナタの人形を演じるよりもそちらの方が効率がいいでしょう』 「そ、そんな事できるのか!?」 『霊と対話が出来るという事は契約が結べるという事と同義です。手を。『伝えたい事を伝えるまで』という契約で貴方に私の身体をお貸しします』 『か、身体を……貸す……?』 『アヤベさん、信じて貰えている前提でお話ししますが、今から私の身体を旦那さんにお貸しするので直接お話して下さい。私の意識はその間眠っているので話す内容についてはお気になさらず…ぁっ』 「カフェ、ありがとう…うっ!?」 『えっ…えっ…?あっ…ちょっと…っ』 トレーナーがカフェの手を取った途端にその姿が重なり、アヤベから見たカフェは唐突に身体から力が抜けて糸が切れた人形のようにその場にへたり込んだしまったように見えた。 そしてゆっくりと目を開けると、辿々しく口を開いた。 「アヤ……ベ……俺…だ。トレーナー…だ……はは、声が自分の声じゃないからか何だか照れ臭いな……」 その仕草、話し方は本当に其処にトレーナーがいるかのようで。アヤベは先ほどまでまだ心の底に僅かに抱いていたカフェへの疑心は全て無くなり、目の前に本当に死んだ筈のトレーナーがいるのだとようやく確信した。 「ほ、本当に…あ、貴方なのね……っ!?貴方…貴方貴方貴方……っ!!トレーナーさんっ!!」 「アヤベ、すまんっ!寂しい想いをさせて…っ!」 ぎゅ…っ 二人は抱きしめ合い、ようやく再会を果たしたのだった。 ◆ 「え、それじゃずっと私の妹と二人で私の生活を見ていたの……?なんだか恥ずかしいわ……」 「…ちゃんと見ちゃいけないようなタイミングは選んで見ないようには気を遣ってたけど、まぁそうだよな…でもまさかこうやってきちんと話せる日が来るなんて思ってもみなかった」 二人は駅のベンチに座ってこれまでの事を話した。 時折アヤベはトレーナーの姿を目にはしていたのだが、自分の都合のいい妄想や幻覚か何かだと思い込んでしまっていたので、改めてずっと見守っていてくれていた事実に恥ずかしさ以上に嬉しく思っていた。 「私の妹は…その……どんな感じなのかしら?」 「学生の頃に会ったと言っていたからその時と全く同じじゃないか?こう…君にそっくりな姿で元気いっぱいな人懐っこい女の子だよ」 「ふふ…っなんだかおかしいわ。死んだ筈の旦那が死んだ筈の妹とずっと一緒にいるだなんて……あ、まさか私に似てるから浮気とか…」 「してないしてない!」 ある程度親密になれた妹とは軽いスキンシップは日常茶飯事ではあるが、性的な関係は持ち合わせていなかった。 「…俺はさ、今でもずっと君を想ってる。これからも君に許される限り見守っていきたい。でも、もしアヤベが新しいパートナーを見つけて歩み始めたその時は……」 そのトレーナーの真剣な眼差しに、アヤベは再びトレーナーが遠い所へと行ってしまうような感覚に胸が締め付けられるように苦しくなってしまう。 「…い……や……いやいやいやぁっ!!いかないでっ!!いかないでトレーナーさんっ!!せっかくまた、こうして……逢えたのにっ!!」 「ア…ヤベ、でも……俺は、もうっ!死んでるんだっ!!」 「………ぁ」 それはトレーナーが初めてアヤベの前で見せた弱音、感情の吐露。 結局、失ったモノが一番多いのはアヤベでは無い。トレーナーなのだ。 「…だったら私も今すぐそっちにいくっ!今、死ねばきっと貴方達と一緒にずっと……っ」 ぎゅっ 「トレーナー……さ……」 「アヤベ…俺も妹さんも、君に生きていて欲しいんだ。幸せに生きて、新しい旦那さんと子供を作って、おばあちゃんになって孫の顔を見て、そんな素敵な人生を君に送って欲しい。俺達の分まで」 「ぐすっ……そんなの……ずるいよ……うぁ……あぁあああぁああーー……っ」 アヤベはひとしきり声を上げて泣いた。アヤベを抱くトレーナーも大粒の涙を流した。 そうして駅のホームに次の電車が発車してしまった頃、トレーナーはようやく落ち着いたアヤベの頭を撫でると柔らかく微笑んだ。 「…アヤベ、そろそろカフェに身体を返すよ。君とこうしてまた話せて本当に良かった」 「……ぅん。トレーナーさんさえ、良ければ、これからも私の事、見ていて欲しい。新しい人は…まだ考えられない、けど。私、きっと…前向きに、生きていくから…」 「あぁ、これからも君の妹と共に、ずっと見守ってるよ。待たせたなカフェ、伝えたい事は全て伝えた。君に身体を返すよ…………あれ?」 「……ぐすっ……カフェさん?」 「いや……アヤベ、マズい。元に戻り方が分からん」 「え、えぇっ!?」 『……あちゃー、少し思ったんだよね。期間を明確に指定しなくてもいいのかなって。お兄ちゃんが身体を借りパクなんてしないだろうからって事だったんだろうけど……さて、なんなんだろ?お兄ちゃんがまだ伝えてない事って』 「カフェ!カフェ!!起きてくれ…っ!!クソっ!!この姿になってから何故か妹の姿も見えなくなってしまったし、オカルト関係の話は全く分からんっ!一体どうすれば…っ!!」 「…ト、トレーナーさん、取り敢えずもう終電が来てしまうわ。このまま此処にいても仕方ないから一旦私の家に行きましょう。もしかしたら、朝になったら自然とカフェさんが目を覚ますのかもしれないわ」 「そ、そう……だな……」 そうして自らではマンハッタンカフェの姿から戻れなくなってしまったトレーナーは、アヤベと共に自宅へと戻る事になったのだった。 ◆ 「ご馳走様。またアヤベの手料理が食べられるなんて、悪霊続けてた甲斐があったよ」 アヤベは空になった食器を水に晒しながらスポンジに洗剤を染み込ませる。 「ふふ、貴方悪霊なの?守護霊とかじゃなくて?」 「カフェが言うには俺達は悪霊なんだってさ。そのうち俺も妹みたいにアヤベにオカルトパワーで悪戯出来るようになったりするかも…」 「やめてよ。私の妹にもキツく言っておいてね。今思えば思い当たる節がありすぎるもの」 「まぁ彼女も君の事を想っての行動だったみたいだから許してあげてくれ。それにしても何でこう、彼女が君を操って当てがう男達はあぁも酷い奴らばかりだったんだろうな。俺としてはもっと誠実な奴の方がまだ…」 「………ぁ」 トレーナーのこれまでの妹の行いについての悪態を聞いたアヤベは何かに気付いたように小さく声を上げると、洗い物をしていた動きをピタリと止めてしまった。 「……そう…私の妹は、きっと全て観ていたから…そう言う事……なのね……」 「……?」 アヤベは先ほどの幸せそうな顔ではなく、真剣な顔でトレーナーへと向き直った。 「……アヤベ?」 「…私の妹が私と…その、無理やりくっつけようとしていた男達は皆、始めは私の身体目当てだったのでしょう?」 「…そう、だな。そんなクズみたいな奴ばかりで」 「……私が現役当時、妹の事を想って本当に追い詰められてしまった時、私は貴方と肉体関係を持った」 「……そう、だな。まだ学生だった君と関係を持ってしまった俺は散々迷ったが、君のこれからの人生の責任を取る事に決めたんだ」 「……当時は私が貴方の事を好いていたから、私に手を出して貰う為に貴方に強いお酒を飲ませて、無理やり関係を持った。私はそう貴方に言ったけど……事実は違うの」 「…え、違…う……?」 「…あの時の私は貴方に対して恋愛感情も何も抱いていなくて、自分からお酒を飲んだ貴方は…嫌がる私を一方的に……犯した」 「……………は?」 「酔った貴方はまだお酒を飲んじゃいけない私にもお酒を勧めて、私も精神的に参っていたから、逃げるようにそれを飲んでしまったの。それで、私は無理やり……酔ってしまったからかまともに抵抗も出来ずに……私はその時の事を全て覚えていたけど、貴方は覚えていなかったから、貴方には私から誘った、同意があった、と嘘を吐いたの」 「なん……で……そんな大事な事、ずっと、黙っていたんだ……っ!」 「……私、ね…その時は本当にもう、死んじゃってもいいと思えるくらいに追い詰められていたの。でも、あの夜貴方に襲われて、ああ、私は今愛されてるって思ったの。私を必要としてくれてる人が目の前にいるんだって。私が生きていたらこの人だけは救われるんだって…そう思えたから…私にとってあの初体験は新たな生きるきっかけになったの」 「……つまり、俺が死んでしまって塞ぎ込んでしまったアヤベと再び歩いてゆくパートナーは……俺みたいな…強姦魔が好ましいと……そう言う事、だったのか……」 「…そうやって立ち直って幸せになった私を見て、もう一度って私の妹がそう思ったとしても不思議じゃないわ」 「………」 「………今更言うべきか、迷ったのだけれど、あの子の事を誤解して欲しくなかったの。私のことを、本当に考えてくれてるって…ただそれだけ」 「あぁ……俺も色々と腑に落ちたよ。どうりでよくお前が言うのか、みたいな反応をされたわけだ」 アヤベの衝撃の告白に沈黙が流れる。トレーナーはショックではあったものの、妹への認識を改めようと切り替えつつあった。 そんな横顔を見てアヤベはトレーナーの隣に座ると身を寄せる。 そして、ゆっくりと口を開いた。 「……ねぇ、今からセックスしましょう」 「……え?こ、この流れでか?でも、これはカフェの身体で……」 「えぇ、でも…私ね、貴方は身体を重ねながらでないと言えないような事がある気がするの。それがもしかしたら貴方が私に伝え損なっている事なのかもしれない」 「……」 ・……分かった。セックス、しよう。← ・……いいや、カフェの身体では出来ない。別の方法がある筈だ。 ◆ 「アヤベ……っ」 「貴方…♡」 ちゅっ❤︎ 「ちゅっ♡ちゅっ♡ちゅうっ♡」 「ん…っ♡ちゅ…っ♡ちゅぅ…っ♡」 アヤベはカフェの身体に取り憑いたままのトレーナーの唇に自分の唇を重ねる。 トレーナーは慣れないウマ娘の身体の感覚に、肩を時折跳ねさせながら身悶え、そして逃げるように唇を離してしまう。 「ぷはっ……ちょ、ちょっと待ってくれ…っ♡はぁ…♡はぁ…♡キスしてるだけなのに、この身体、なんだか…変な感じだ…っ♡」 以前のトレーナーも、カフェもしないようなその顔を真っ赤にし、湧き上がってくる快感に困惑している姿に、アヤベは何処かゾクゾクとしたモノを感じてしまう。 「…ん、何だか今の貴方の今の顔を見ていると変な扉を開いてしまいそうだわ…♡私、そっちのケもあったのかしら…♡ほら、もう一度…っ♡」 「ま、まっへ…っ♡んむぅっ♡」 アヤベは無理やりトレーナーの顔を向き直させると、再び唇を重ねる。 今度はトレーナーの舌を無理やり絡ませて自分の口内へと導く。 そして舌同士を絡め合わせながら唾液を交換し合う。 「んっ♡んふっ♡れろぉっ♡ちゅるっ♡」 「んん…っ♡ちゅっ…♡はむっ…♡」 むにゅっ❤︎むにゅんっ❤︎ 既に全裸となっている二人の身体が密着し、それぞれの豊満な胸が押し付け合い変形する。その度にトレーナーの全身に感じた事もない甘い痺れが走り、思わず腰が何度も跳ねてしまう。 そして乳首同士が触れ合った時、トレーナーは一際大きな可愛らしい声を上げて身体を大きく跳ねさせた。 「んあぁっ♡!?」 「……っ♡」 トレーナーは今の声が自ら発したものなのかと信じられないような顔で口を覆う。 かつての男性の身体に比べてカフェの身体はとても繊細で、敏感で、そして気持ちいいのだ。 「あ、アヤベっ♡俺……なんかおかしい…っ♡今日はもう止めないか……?♡」 「……大丈夫よ、今は貴方もウマ娘なんだもの♡私に任せて♡」 くちゅっ❤︎くちゅくちゅっ❤︎ 「あ……っ♡アヤベ、そこは……だめっ♡んにゃぁっ♡」 「ふふ、もうこんなに濡れてる……っ♡」 アヤベは後ろから抱きしめるようにトレーナーのおまんこを指でなぞり、指に愛液を指に絡ませながら、そのままゆっくり挿入させた。 ぐちゅうっ❤︎ 「あぁ゛っ♡んぁ゛っ♡挿入って…くるぅ゛っ♡アヤベ…俺っ♡なんか怖ぃ…っ♡」 「ふふ……今のトレーナーさん、本当に女の子みたいで可愛いわ……♡」 くちゅっ❤︎ぐちゅっ❤︎ 「んあ゛ぁ゛っ♡あ゛ひっ♡アヤベっ♡それだめっ♡指、止めてぇ……くぅ゛うんっ♡♡」 「だめよ♡これからもっと気持ちよくなるんだもの……♡」 どんどんと激しくなっていくアヤベの指使いにトレーナーは情けない喘ぎ声を出しながら身体を捩らせる。 しかし、アヤベにしっかりホールドされて逃げる事が出来ず、その身体にはどんどん快楽が蓄積していく。 ぐちゅぐちゅぐちゅっぐちゅっぐちゅ❤︎ 「んぉ゛おっ!?♡♡おぉ゛っ♡♡ぉ゛おぉ゛おお゛ぉ゛ーーっ♡♡アヤベっ♡だめっ、だめぇ゛……っ♡♡ぉ゛ほっ♡♡俺もぉ゛…イ゛っちゃうぅ゛…っ♡♡俺、カフェの身体でアヤベに゛ぃ゛…っ♡♡イ゛かされ゛る゛の゛やだぁ゛あ゛ぁ゛〜〜……っ♡♡んぉ゛おぉ゛おおぉ゛〜〜〜っ♡♡♡」 「うん♡イって…♡私に情けなくイっちゃうところ見せて……っ♡私、貴方の女の子ととしてイく時の顔が見たいの……お願い♡」 「ん゛おぉ゛おお゛おおぉ゛ーーっ♡♡イぐっ♡♡イぐイ゛ぐイ゛ぐイぐイぐイ゛っぐぅううぅーーーっ♡♡♡」 びくっ❤︎びくびくっ❤︎ トレーナーは腰を浮かせて大きく何度も身体を跳ねさせると、そのままぐったりと脱力してアヤベにもたれ掛かる。 「……ぉ゛………っ♡♡ぉ゛お゛〜〜………っ♡♡」 「ふふ…っ♡トレーナーさん本当に女の子になっちゃったみたい♡もしかしたらもう、元には戻れなくなっちゃうかも…♡」 「んぁ゛……っ♡♡はぁ〜……っ♡♡はぁ〜……っ♡♡そんな、縁起でもないこと…言うな……やぁ!?♡♡」 アヤベは身を引き、ベッドにトレーナーを仰向けに寝かせるとその身体に覆い被さり、おまんこ同士を触れさせる。 ぐちゅうぅっ❤︎ 「貝合わせなんてした事ないから上手くなかったらごめんなさいね♡」 ぐちゅっ❤︎ぐちゅっ❤︎ぐちゅっ❤︎ 「ぉ゛おお゛っ♡♡ま゛っへっ♡♡おれっ♡♡イ゛ったばっかり゛ぃ゛でぇ゛っ♡♡お゛っ♡♡お゛ほっ♡♡んぉ゛おおおぉ゛っ♡♡♡」 「んぁ゛っ♡♡あ゛っ♡♡これ、すごくきもちぃ゛……っ♡♡」 アヤベはまだまだ余裕があり、腰を浮かせて揺すりながらトレーナーとの貝合わせを堪能しているが、一度イキ癖がついてしまったトレーナーの方は直ぐにも限界が訪れる。 「んあぁ゛っ♡♡あぁ゛っ♡♡んん゛っ♡♡」 「ア゛ヤベぇ゛っ♡♡お゛っ♡♡おれ゛ま゛たイ゛ぐっ♡♡イ゛…くぅ゛うぅ゛うううぅ゛〜〜〜っ♡♡♡」 ぷしっ❤︎ぷしぃっ❤︎ トレーナーは足先をピンと伸ばしながら仰け反り潮噴きアクメをキメてしまった。トレーナーの視界はチカチカと光が瞬き、舌をだらりと突き出して吊り上がった口端からはその快楽を貪っている事が伺える。 しかしアヤベは更に腰を押し付け、勃起しているクリトリス同士を激しく擦り合わせていく。 ぬちゅうっ❤︎ぐちゅぐちゅぐちゅっ❤︎ 「ぉ゛おぉ゛っ!?♡♡んおおぉ゛っ♡♡おっほぉ゛っ♡♡おお゛おぉ゛〜〜〜っ♡♡♡」 「トレーナーさん…っ♡私に隠している事、全部言いなさい…っ♡じゃないと、ずっとこのままイかせ続けるわよっ♡♡んっふぅ゛っ♡♡」 「んおお゛お゛っ♡♡お゛ぉ゛っ♡♡んぉ゛おおぉ゛っ♡♡アヤ゛ベぇ゛え゛っ♡♡おれ゛…っ♡♡きみ゛が他の男に゛っ♡♡取ら゛れ゛る゛かも゛って思うとぉ゛お゛すごくっ♡♡こ、興奮してしまぅ゛ううぅ゛〜〜っ♡♡♡おぉ゛っ♡♡おおぉ゛おぉ゛ぉ゛〜〜〜っ♡♡♡」 今まで数々の男達にアヤベを取られそうになる度にトレーナーの胸中に渦巻いていた欲望……それは寝取られ願望であった。 今まで邪魔出来たのはあくまでアヤベを幸せに出来る相手ではないと少なからず思っていたのが大きく、もし自分よりも心身共に優れている男であったのなら、と日に日にトレーナーの中でその欲望は膨らみ続けていた。 「ふーん…っ♡私が他の人に襲われそうになった時、何度も助けてくれた筈なのに、本当はそんな事思ってたのね♡それなら今度、またバーにでも行こうかしらっ♡」 腰の動きを止め、そう言いながら見下ろすアヤベの表情はとてもいやらしいモノだった。それを見たトレーナーはふるふると弱々しく首を何度も横に振りながら縋るような声を出してしまう。 「いやだぁ゛〜…♡おれ、君が他の男のモノにな゛るな゛ん゛て…ほんとはい゛やなん゛だぁ゛あぁ゛〜〜……っ♡♡」 「取られたくないのに取られそうになると興奮するなんて……っ♡貴方は本当に変態さんね……っ♡♡」 それもまた本心。この相反する願望がトレーナーがアヤベに本当に伝えたい事だったのだ。 「あ゛ぁぁ゛あっ♡♡アヤベぇ゛っ♡おれの中のカフェが目覚めるのが分かるっ♡♡もう直ぐ戻る゛っ♡♡アヤベっ♡♡好きだっ♡♡愛してる゛っ♡♡」 「んん゛っ♡♡わ、私も……っ♡トレーナーさんがいつまでも好きっ♡♡どんなに情けなくても、どんな姿になってもずっと愛してるっ♡♡いつまでも、私の側にいてぇ゛…っ♡♡」 アヤベはトレーナーを強く抱きしめて身体を密着させると、そのままお互いの絶頂へと向けて腰の動きを早めていく。 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ❤︎ 「んぁ゛あぁっ♡♡イくっ♡♡イっくぅ゛ううぅ゛〜〜〜っ♡♡♡」 「イぐイ゛ぐイ゛っぐぅ゛うぅ゛うぅ゛〜〜〜っ♡♡♡おっほぉ゛おお゛おぉ゛〜〜〜っ♡♡♡」 ぷしぃいいいいぃーーっ❤︎ぷしゃあああぁあぁーーーっ❤︎ 二人は盛大に潮を噴きながら何度も身体を大きく跳ねさせ絶頂した。 そしてそのままお互い脱力してベッドへと倒れこんだのだった。 「…はぁ゛〜……っ♡はぁ゛〜……っ♡トレーナーさん……っ♡♡」 「……んぁ゛……っ?♡♡んぉ゛おおぉ゛っ!?♡♡にゃ、にゃに゛これぇ゛っ!?♡♡ぎもちいぃ゛っ♡♡ひぃ゛いいぃ゛っ♡♡♡」 ぷしっ❤︎ぷしぃいいぃーーっ❤︎ 覚醒したカフェに唐突に訪れたのは散々連続絶頂した身体による絶頂の余韻。カフェはそれだけで連鎖的に絶頂してしまう。 「カ、カフェさんっ!?ごめんなさいっ!!そのこれには色々とあって……っ!!」 「な、なんれ゛こんな゛…んぁ゛あぁ゛あ゛ぁ゛〜〜〜……っ♡♡♡」 ◆ 『……まぁ、今回は私が軽率でしたし、最悪の場合一生元に戻らないかもしれなかった身体をこうして元に戻してくれたのですから多少の事には……その、目を瞑ります。泊めて下さりありがとうございました』 『私の方こそ本当に……あの、カフェさん、私と連絡先交換して貰えないかしら……?』 『い、嫌ですよ……私の事を中継役にして旦那さんとお話しする気でしょう?そんな翻訳のような扱いされるのは真っ平御免です』 『……そう、よね。ごめんなさい。貴女の気持ちを蔑ろにしていたわ』 『……旦那さんと話せて、気持ちの整理はつきましたか?』 『…分からない。でも、あの人の為にやりたい事は見つかった気がするの。口には少し、恥ずかしくて出せないけれど……』 『そ、そうですか……それではまた、いえ、もうお会いしない事を願っております』 『ふふ、またどこかで……』 「お兄ちゃんとっても可愛かったよーーっ!独りにされちゃったからずーっと近くで見てたんだからっ♡」 「うぁあぁ…わ、忘れてくれ……っ!!あんなの、俺じゃ…俺じゃあぁっ!!!」 こうしてトレーナーとアヤベはカフェと出会った事で新たな物語を紡いでいくのだった。 〜マンハッタンカフェ〜 ・身体の開発度:25[↑↑] ・心の淫乱度:5[↑] ・トレーナーへの想い:5[↑] ・アヤベへの想い:10[↑↑] (…まさか知らず知らずの内に不可抗力とはいえ、この身が他のウマ娘と同衾する事になるとは……うぅ…♡彼女の事を思い返す度に乳首や陰核が疼いて……っ♡) カフェ版の表紙とページ機能を使ったルート別は後日pixivに投稿予定です。